ご注文番号:19133
刀:白鞘入り(特別保存刀剣)(委託品)
銘:奥大和守平朝臣元平
寛政十年秋
鞘書: 田野辺先生:薩摩國奧大和守元平
寛政10年同工五十五歳時之作也 地刃 典型尚同工の真骨頂を発揮し
覇気満々タリ 其の地刃健やか尚殊に鍛練の精妙さは見事なり。
刃長貳尺三寸八分余有之
新々刀:上々作:薩摩
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は奥大和守平朝臣元平としては上々作にランクされる作品です。
最上研磨済み
ハバキ:金着一重
刃長:72.2センチ
反り:1.8センチ
目釘穴:1個
元幅:3.19センチ
先幅:2.33センチ
重ね:0.65センチ
刀身重量:840グラム
時代:江戸時代 寛政10年
体配:身幅が広く重ね厚く反りがやや深く切先が延びた体配の素晴らしい作品です、
地鉄:小板目肌よく練れて地錵が付き細かな地景が入り
潤いがあり銀の砂をまぶした最上級の地金となる。
刃紋:錵出来互の目乱れ匂口深く尖り刃を交え
刃中、砂流、金筋、稲妻が盛んに働き帽子、丸く先煙るごとく掃掛となる。
特徴:薩摩は島津家の庇護の元、多くの名工を輩出した。
元平は薩摩新々刀前期を代表する刀工。
薩摩の藩工奥元直の子として延享元年(1744)に生まれた。
安永六年(1777)に父を亡くし家督を相続した。
鍛刀は父に学び天明五年(1785)には「薩藩臣奥元平」と銘を切ることを許された。
寛政元年(1789)十二月に伯耆守正幸と同時に受領、大和守を受領し寛政二年から
「奥大和守平朝臣元平」と銘を切っている。文政九年(1826)七月に八十三歳で没する。
門人に角元興、名古屋の青木元長がいる。二人の弟、元武、
元安も優れた刀工で元平との合作銘の作品を残している。
江戸時代後期には幕府及び薩摩藩が武術を大いに奨励したこともあり、
薩摩藩武道が隆盛した。野太刀白顕流を命名した兼武の
父が兼富(寛延元年、1748~寛政十年、1798)
と言う人物で有るが本作との関連は定かではない。
本作は元平五十五歳、大和守受領から7年後の円熟期の作です。
葵美術より一言:元平は正幸と共に薩摩刀を代表する作品でともに作風が酷似しております。
特に元平は志津、左に化けている作品が多いのは体配が良く切先が大きく延びた南北朝の体配に
似ている事と地金が詰んで地景が良くはいり、更に刃紋が相州伝で砂流、金筋が良く働く事で
大摺上げ無銘に改竄されている事が原因と考えられます。
又元平は偽造を防止する為に茎を薄くし茎尻の鎬筋を茎尻の
中心からほんの少し鎬寄りに移動させております。 又皮金が厚い事が特徴であり、
かなり錆びた食い込み錆びがある刀でも綺麗に研ぎ上がる傾向がございます。
研磨は素晴らしく相当の名人に研磨され良く地金の美しさが引き出されております。
是非御薦めしたい傑作です。鞘書には田野辺先生のお褒めの内容が記載されております。
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